実に奇妙な生活だった。
俺がうっかりして銀河だということが
ばれてしまったあの日から。
まず、あかりは俺を
あおいと呼ばなくなった。
銀河、銀河と嬉しそうに呼ぶ。



今の俺はあおいなのに。



あんなにもあかりに正体を明かして
また愛し愛されたいと思っていたのに
いざこういった状況になると
複雑な気持ちになる。
そして俺自身驚いているのは
あおいという存在がいないも同然に
扱われていることに悲しいという
気持ちがあるということだ。



何度でも言うよ、あかり。
今の俺はあおいなんだ。
だからあおいを置き去りにしないで。



あの日買った
せっかくの新作ジェラートも
あかりが買ったチーズケーキも
結局俺たちは食べていない。