深海魚展に行った後も
あかりは嬉しそうににこにこしていた。



「今日は本当に楽しかったわ。
銀河ともずっと一緒にいれたし
憧れのバツビルにも行けたし」



一張羅のワンピースも時間が経つごとに
どんどん彼女の一部に
なっている気がしてとっても美しい。



「あ、やだ、入場券!
せっかくだから取っておけばよかった。
私さっきペットボトルと一緒に
捨てちゃった」



俺が手にしている深海魚展のチケット。
日付けと共に見たこともないような
魚の写真がプリントされていて
お洒落なデザインのそれを見て
あかりががっくりと肩を落とした。