「ようやく起きたなぁ! わぁ〜逢いたかったぞ〜岡本〜!」
「ちょっと! なななんでいるの!?」
「えー? 教授から『寝てると思うから好きにして良い』ってさっき電話で言われたのに!」
「かっ勝手なこと言って! あの人はそういうことしか頭にないのかよ!」
「野獣のように交わってるところを見学したいとか言ってたなー。 見られながらするのも良いぞぉ。いやぁ良いベッドだ」
「やめて下さい!」
「岡本はよく見られながらヤラれてたんだろ?」
「知りませんよ!」
吐き捨てるように答えて、僕はベッドから転がり落ちるように幸村さんの魔の手から逃げ出した。じっとしていては期待されてしまう。
「おい、岡本? 逃げてもムダだぞ。ちょっと戻って来い」
「出来るか! だいたい仕事が夕方まであるって言ってなかった?」
「早く目星がついたんで早めの参戦。でももう4時半だからな」
「もうそんな時間……」
「岡本ぐっすり寝てたしな。疲れた顔して寝てたから起きるの待ってた。そんなことよりまぁ聞けよ。俺、気づいちまったんだよ、昨日」
「何をですか? 」
幸村さんはベッドにうつ伏せになり、首だけ起こして床に座り込んでいる僕を見た。
「岡本さぁ、あの実験で自殺屍体みても発作出なくなったよな」
「ええ、そうですが。なにか問題でも?」
「いやさ、清水さんがいなくても同じ結果になるのかなって」
「…はぁ?」
「だからぁ、清水さんが岡本と一緒にいなくても、自殺屍体見て発作は起きないのかどうなのか、って事よ」
「え……えっと、え?」
寝耳に水といった疑問に、僕は5才児並みの語彙で聞き返した。幸村さんはうつ伏せをやめ、横向きになって僕を見ている。
「どう思う?」
「どう…って?」
「まず、解剖のときはどうなんの? ってことだな。だって清水さん隣りに居ないよ? 居なくても発作起きねぇ確証ってあったっけ?」
「それは……」
驚いたことに、僕は絶句していた。確証だって?
「なぁ、どう思う?」
寝ぼけた頭でも答えは理論的にはすぐ出てきた。しかし、感情はそれを一切認めたくないことに気づいた。この葛藤が僕に珍しく沈黙をもたらした。
「ちょっと! なななんでいるの!?」
「えー? 教授から『寝てると思うから好きにして良い』ってさっき電話で言われたのに!」
「かっ勝手なこと言って! あの人はそういうことしか頭にないのかよ!」
「野獣のように交わってるところを見学したいとか言ってたなー。 見られながらするのも良いぞぉ。いやぁ良いベッドだ」
「やめて下さい!」
「岡本はよく見られながらヤラれてたんだろ?」
「知りませんよ!」
吐き捨てるように答えて、僕はベッドから転がり落ちるように幸村さんの魔の手から逃げ出した。じっとしていては期待されてしまう。
「おい、岡本? 逃げてもムダだぞ。ちょっと戻って来い」
「出来るか! だいたい仕事が夕方まであるって言ってなかった?」
「早く目星がついたんで早めの参戦。でももう4時半だからな」
「もうそんな時間……」
「岡本ぐっすり寝てたしな。疲れた顔して寝てたから起きるの待ってた。そんなことよりまぁ聞けよ。俺、気づいちまったんだよ、昨日」
「何をですか? 」
幸村さんはベッドにうつ伏せになり、首だけ起こして床に座り込んでいる僕を見た。
「岡本さぁ、あの実験で自殺屍体みても発作出なくなったよな」
「ええ、そうですが。なにか問題でも?」
「いやさ、清水さんがいなくても同じ結果になるのかなって」
「…はぁ?」
「だからぁ、清水さんが岡本と一緒にいなくても、自殺屍体見て発作は起きないのかどうなのか、って事よ」
「え……えっと、え?」
寝耳に水といった疑問に、僕は5才児並みの語彙で聞き返した。幸村さんはうつ伏せをやめ、横向きになって僕を見ている。
「どう思う?」
「どう…って?」
「まず、解剖のときはどうなんの? ってことだな。だって清水さん隣りに居ないよ? 居なくても発作起きねぇ確証ってあったっけ?」
「それは……」
驚いたことに、僕は絶句していた。確証だって?
「なぁ、どう思う?」
寝ぼけた頭でも答えは理論的にはすぐ出てきた。しかし、感情はそれを一切認めたくないことに気づいた。この葛藤が僕に珍しく沈黙をもたらした。



