「いえ、この本は佳彦のじゃありません」
「じゃあなんでこれがここにあるの?」
「その検視のセンセが僕にくれたんです」
寺岡さんは文字通り絶句した。ありえないことが起きたとき、寺岡さんでも言葉を失うのかと、僕は少々新鮮な気分になった。
「えっと、これからなんでこの本をそのセンセが僕にくれることになったかを話します」
「……どう…え?…なんで? ありえなくない…?」
饒舌な寺岡さんのしどろもどろな返答の珍しさに、僕はちょっとだけ不安になった。これからもっと頭のおかしい話をこれでもかと重ねていかなきゃいけないのに。このくらいでこんな反応してたら先が思いやられる。
「そのセンセの話しでは、この本は日本には6冊くらいしかないそうです。彼は大学のバイトであるサブカル系の本を通販する会社で働いてたそうです」
「それってもしかして……?」
「そうです。佳彦がよく買ってた通販専門書店です。そこの社長が清水さんの医大のサークルのOBだったとかで」
経緯が進んでいく。もうすぐあれに行き着く。賭けだが勝算はある。寺岡さんはそれを法的に裁いたりはしない、と。
「……高額バイトの中身は、あるお得意さんから送られてきた動画の編集だったそうです。えっと、それが佳彦が僕を犯している動画だったそうです。そしてなぜか彼は動画の中の僕を好きになったって言うんです。ずっとそれから探していたって。『ゆう』っていう名前のようなものだけを頼りにして。僕を助けたいって思ったって」
気がつくと寺岡さんは頭を抱えていた。
「じゃあなんでこれがここにあるの?」
「その検視のセンセが僕にくれたんです」
寺岡さんは文字通り絶句した。ありえないことが起きたとき、寺岡さんでも言葉を失うのかと、僕は少々新鮮な気分になった。
「えっと、これからなんでこの本をそのセンセが僕にくれることになったかを話します」
「……どう…え?…なんで? ありえなくない…?」
饒舌な寺岡さんのしどろもどろな返答の珍しさに、僕はちょっとだけ不安になった。これからもっと頭のおかしい話をこれでもかと重ねていかなきゃいけないのに。このくらいでこんな反応してたら先が思いやられる。
「そのセンセの話しでは、この本は日本には6冊くらいしかないそうです。彼は大学のバイトであるサブカル系の本を通販する会社で働いてたそうです」
「それってもしかして……?」
「そうです。佳彦がよく買ってた通販専門書店です。そこの社長が清水さんの医大のサークルのOBだったとかで」
経緯が進んでいく。もうすぐあれに行き着く。賭けだが勝算はある。寺岡さんはそれを法的に裁いたりはしない、と。
「……高額バイトの中身は、あるお得意さんから送られてきた動画の編集だったそうです。えっと、それが佳彦が僕を犯している動画だったそうです。そしてなぜか彼は動画の中の僕を好きになったって言うんです。ずっとそれから探していたって。『ゆう』っていう名前のようなものだけを頼りにして。僕を助けたいって思ったって」
気がつくと寺岡さんは頭を抱えていた。



