彼のズボンからベルトが引きぬかれ、膝まで引き下ろされると、赤黒い隆のペニスが弾け出してきた。
「口開けろ」
言われるままに口を開けると、顎を掴まれて大きく無理やり開かされた。すぐにそこに固いペニスが押し込まれた。
「噛むなよ」
僕は初めて人の性器を口で咥えた。僕の中にある熱と同じモノが外側から押し込まれるのが、肛門を犯されるよりもはっきりと伝わってきた。大きなものがすぐに喉を塞いだ。息が苦しい。後頭部を押さえつけられて、僕は吐き気を催した。
「うぐっ」
「吐きそうか」
亀頭が唇まで引き戻される。息が上がる。
「ちゃんとしゃぶれよ」
しゃぶれと言われてもどうしていいかわからない。
「お前初めてか」
入れられたまま訊かれて口では答えられないので、目で頷く。
「そうだな…松田は気を失ってるのしか勃たねーしな」
また奥まで詰め込まれた。
「んんっ…」
「これすると大抵は息が出来なくて苦しがる。でもお前には逆効果だな」
気道と鼻腔の開口部が同時に固いもので塞がれて、僕は窒息しそうになった。数秒で肺の中の酸素が二酸化炭素に変わっていく。30秒…たった30秒で血液がこの酸素を使い果たしたらチアノーゼが始まる。痙攣と脱糞、そしてその先には…仮死…
期待をわざと裏切るように、隆は僕の顔を股間から引き剥がした。
「なっ…なんで…」
「ああ、お前の好きなことしちまうとこだったわ」
「なんでやめる…の…」
「欲しいか」
「やめないで…やめないでよ…!」
「やめないでなんて言われてもそそんねーしな」
小島さんは死神ともアイルランド兵士とも違うモードになっていた。生かしも殺しもしないのは、まるで捕虜を拷問する将校のようだった。問題は僕がなにを自白したら許されるのかということで、僕にはそれがなにかわからなかった。



