僕を止めてください 【小説】



そう言い終わるか終わらないかのうちに耳の中に舌が入ってきた。横抱きにされ、うなだれたボロキレみたいな僕の陰茎が空いた手で握りこまれる。

「勃たなくっていいさ。弄くっていたい……お前の身体が好きなんだ。嘘つきで裏腹で淫乱で狂ったエロい身体がな」

 我ながら最低な身体だ、と思う。幸村さんに言われなくても知っている。誰にでも抱かれて、誰にでも首を絞められてイク。自殺の画像で発情して、発作が治ったのは奇跡だ。幸村さんはお構い無しで僕にのし掛かってきたかと思うと、僕の右の乳首を舌先でこじ開けている。舌で押し潰した乳首を急に甘噛みされた。

「うっ…」

 ピクンと背中が引き攣った。それに感づいた幸村さんは左の乳首を舌で責め始めた。乳首が尖ってくる。また甘噛みされると、喉の奥から音が勝手に発された。

「んぁ……あ…」

 あとはなし崩しだった。次にピクンとしたのは幸村さんの手の中の陰茎で、明らかに充血し始めた重さを付け根に感じた。

「ほら、終わっちゃないさ。このダメな身体は」

 自分の硬さを僕の大腿に押し付けてくる。更に硬さが増してくる。幸村さんの手の中の僕の陰茎も。

「だから可愛いんだ。責めたら責めただけ返って来る」

 肛門にまた指が這う。ヌルっと指の腹が肛門の表面を滑る感触に、ズンと下腹の奥が重くなる。とうとう性器がピクンと跳ねた。

「んっく…」
「こんな欲情して」
「し…しら…な…い…」
「指、挿れてないぜ」
「挿れなくて…いい…です…」
「我慢すんな、エロいんだから。こんなすぐその気になっちゃって」

 ツプっと指先が孔にめり込む。脚を足で広げられる。広げられながら指を奥にねじり込まれる。肛門が広がる。そこに二本目の指が入っていく。

「んんっんっんっん…」
「アナルがすっかり広がって指が食われてるぞ。いやらしいな、柔らかいのに喰いついてる。たまんねーな」

 前立腺が揉みしだかれる淫靡な感覚に僕は仰け反った。ノイズがいつの間にか頭に中に羽音のように鳴っている。

「あふ…ぅん……くぅ…」
「いい声で泣いちゃってるし。俺ももう我慢できね」

 指を抜くとすぐ張り詰めた亀頭が肛門に充てがわれた。幸村さんの亀頭の先はまたヌルヌルに濡れていた。

「また挿れられる……お前ん中に居られる」

 そう言いながらズブ、と亀頭の先が全部潜り込んできた。硬さと肛門の広がる感覚がまた僕の体温を上げてくる。ノイズが大きくなってきた。

「あんな激しくしねーよ。ゆっくりな、焦らして狂わせる」
「やめて……焦らすのだけはやめ…ああっ!」

 ぐっと深くまで硬いモノが抉ってきた。