カラーンと空虚な頭の中が音を立てた。いつの間にかノイズが消えていた。あれ? 小さい裕の声だ。どうしたの? どこにいるの?






「裕…? どこ…? どうしたの? なにがあったの?」
「おい? 岡本?」


 あしに


「どうした? あ…! お前、頸動脈か!? 大丈夫か!?」
 

 てが


「どうしたんだ!? 岡本? 岡本!?」


 とどかないの



「おとう…さ…」
「岡本!!」



 意識が朦朧として、そのとき僕はわかった気がした。
 はじめて抱きしめられたのに、じぶんから、逝ってしまったんだね。



 おとうさん



     おとうさん



        つれてってよ