「くあぁ…」
「こんな興奮して…うしろ、すぐ入るんじゃね?」
「も…ダメ…」
「発作じゃなくても、こんな反応良いのか。やっぱりエロい身体だな、元から」
「わかん…な…い……な…なんで……こんななる…の…か」
「そうだな。生きてる人間にはなーんの反応もしないくせにな」
「じ…自殺の…屍体見て……ほ…発作じゃ…なくって、抱かれるのが…は…は……初めて…だから…」
「えぇ? あの例の司書に抱かれてたんだろ?」
「あの人…首絞めないと…犯さなかった」
「へぇ。じゃ、これは…いわゆるお前の“初めて”ってヤツか?」
「そ…そう…あっ…んああっ!」

 “初めてってヤツか?”と言うと、幸村さんは後ろに入れた指をいきなり二本に増やして奥までねじ込んだ。その衝撃に思わず叫んだ。

「ここ、好きだなぁ、お前」
「や…め……」
「好きなくせに」

 そう言うと更に指先で前立腺の辺りをグリグリと押し潰してくる。

「んぁあああ!」
「たまんないんだな。ホント、淫乱」
「だって! だっ…てぇぇ!」
「だって? だって、逃げないし、ヨガってるし、腰回しちゃってるしー。お前ってさ、やっぱ、好きなんだろ。人類共通の快楽がさ」
「しっ…知りません! あっあっ!」
「なんでだろうなぁ…岡本は発作がなくてもこんなヨガれる淫乱な良い子になったのは」
「知らな…ぁ…ぁ…ぁんん!」
「あいつのせいか? 首絞められる前になんかされたか」
 
 頸を絞められたのは……部屋の中。最初にこの感覚を知ったのは……車の中。

「なにも…なにもされない…あっあっ…あの本…見せてくれた…だけ…」
「そうか。じゃあ、あいつよりも前、ってことか」
「くああああっ!」

 二本の指で直腸をえぐられながら耳に直接吐息と言葉を入れられて、何を言っているのかよくわからない。そもそも耳の中でノイズがだんだん大きくなっている。思考が徐々に奪われていく。

「何があったんだ…お前。記憶にないのかもな。そういう出来事は」
「わ…わかん…ない…何言って…なに…あぁぁ…はぁっ! あはぁっ!」

 急に指が引きぬかれても僕は喘いだ。その直後に両足を抱え上げられて、幸村さんの硬過ぎる太いペニスの先端が僕の肛門にズブと押し込まれ、再び僕は叫んだ。