ちょっと間があってから、小島さんは僕の質問にぶっきらぼうに答えた。
「なんだろうな。ドSの部分の俺がお前に関しては萎えちまってるからな」
「ドSなんですか」
「わかるだろうが! まったく…お前のことベルトで殴ってんだぞ! 顔張り倒したの、もう忘れたんかい!」
小島さんは呆れたように大きな声で僕を罵倒した。
「サービスなのかなって。あんまり気持ちよくなかったですが」
「それだよ。そこがダメなんだよ。普通の子は確実に泣いたり喚いたり怯えたりするんだよ。それがたまらなくて勃つんだろーが」
「ああ、そうなんですか」
「ええ、そうなんですよ!」
「殺しちゃうの、ダメなんですか」
「殺したらお前みたいにうんともすんとも言わなくなるだろっての」
「僕みたいに…?」
「裕、お前死んでんだよ。死人はなにも言わないの。俺はね、苦しがってる反応が見たいの。やめて、とか、許して、とか言われてすんごい興奮すんの。死人は命乞いしねーだろ? わかった?」
「ええ、今わかりました。言ってくれなきゃわからないですよ」
「言わなきゃわかんない奴には用はないの!」
「それじゃあ僕に用はないですよね」
小島さんはそれを聞いてまた黙った。すごく不満そうな顔でへの字口をしている。なにか考えているみたいだった。そのうち大きく息を吐いて、口を開いた。



