「いっぱい抱かれてたんだろ? 中学生の頃から。だったらもう我慢すんなって」
「セックスが気持ちいいなんて…いちども…思わなかった」
「逢うたびに犯されてたって言ってたじゃねーか? その自衛官君にさ」
「犯されたって…イカなかっ…あぅ…」
囁かれながら耳に舌が入ってくる。
「イカなかったのか」
「…い…イけない…」
「…君の元カレには悪いが」
そう言うと幸村さんはフッと笑った。
「俺が上手いんだな、これは」
上手い? なんだそれ…と、僕は初めて聞く概念に耳を疑った。
「何が…ですか…?」
「俺のほうがセックスが上手いんだって」
「どういうこ…」
「いやいやいや岡本くん…セックスは上手下手があるんだって」
「え…」
「まぁ、ドSだったんだろ? 泣いて嫌がる顔でイク彼だったんだもんな。そりゃ上手くちゃ逆効果だし、まぁ仕方ないか」
「セッ…クス…嫌いで…す」
「…ああ…すまん」
謝ったその直後に、僕の排泄器官に太くて熱いものがいきなり入ってきた。
「くああ!」
「悪いけど、ガマンできない」
入り口を濡らされてもいないのにヌルっと入ってしまったそれは、幸村さんのモノから滴る粘液で十分だったようだった。
「嫌いなら、抱かれてヨガるなって。エロすぎるんだよ…俺の頭をオカシクさせたいのか? 狙ってるのか?」
「それ…と…これと…べ…つ…んんっ!!」
握られたまま後ろを塞がれて、もう止めることも出来ず、一気に僕は登りつめてしまった。
「すぐ出しちゃって…ほんとダメな身体」
羞恥のあまり自由な片腕で顔を隠すと、その手をまた引き剥がされて拘束された。
「やめ…」
「エロい顔…隠すなよ」
キス。
「俺はな、嫌がる相手をいじり倒しているうちに、拒んでた身体がだんだんよくなって、しまいには自分から腰振ってイキまくるような交尾が大好きなんだ」
「へ…へんたい…」
「お前がな」
「僕は…」
「自殺の死体でよがり狂うのは変態じゃないのか…初耳だわ」
「う…」
それを言われると、なにも言い返せない。そうすると幸村さんが黙った僕の弱いところを硬いものでえぐってくる。反論でなくよがり声が出る。それも堪らなく恥ずかしい。
「はう…あ…あ…んあぁ!」
きっと昨日の自殺の屍体のせいだ。終わってないだけ。いつもそうだから。だって…だって隆は、自殺屍体の写真を見せて僕を抱いたのは一度だけだった。反論の兆しを切れ切れな思考が捕らえた。



