僕を止めてください 【小説】




 これでようやく終われる…

 思ったより早くイッてしまったことに僕は少し感動していた。2本オナホールを用意していた先見性に、自分で自分を褒めたかった。中に挿れたまま、僕は横向きに寝た格好で少しの間ぐったりしていた。そして終わったことを確かめようとホールを抜こうとした。ホールの奥はどうやらウロになっていて先端を飲み込んでカリを締めている構造だった。奥に溜まった精液がそのウロから空気を完全に押し出してしまったらしく、中で先端が吸い付いて、片手ではなかなか抜けてくれない。仕方なく両手でホールをぎゅっと握りしめ、思い切り腹の方にそれを引き抜いた。

「んっあ…!」

 ズルズルと引き抜くだけの間の、その短いはずのストロークの中で、キマイラを構成する3匹が名残惜しげに僕の性器にバラバラのあの感触で自分勝手にむしゃぶりついてきた。その瞬間僕のそれが、ビクン、と痙攣した。

「うそ……」

 僕はまだループの中にいた。脱力感に苛まれてるのは身体だけ。性器だけがまるで自分のものではないみたいにドクドクと熱を帯びて屹立していた。

「いやだ…いや…だ…」

 うわ言のように僕はいやだを繰り返していた。悪い夢のように醒めても醒めても夢の中から出られないような気がした。自分のモノに触りたくない。現実を受け入れたくない。僕は思わず手に持っていたホールをキツく握りしめた。ホールの中の粘液の音が、グチュッと言って耳に届いた。まるでキマイラが僕を嘲笑うかのように。悔しくて思わず叩きつけようと肘を曲げると、手に持ったホールの顔が視界に入った。肌色だけのはずの妖怪の顔の唇と歯が、ところどころ赤く染まっていた。

 血だ。恐る恐る触りたくない自分の性器の根本に指を這わせた。

「つッ…」

 ヒリッとした刺痛が走り、また性器がビクンと震えた。あの歯で皮膚が削れたのだろう。指を見ると、赤い液体が指先を彩っていた。痛みが僕の股間を更に硬くしていった。