こすり上げるたびに煽られるように性器の硬さが増す。背中を冷蔵庫のドアに押しつけながら腰が浮き始めた。なんだこれ…全く問題ないじゃないか? 冷蔵庫に寄りかかっているのが辛くなり、オナホールに挿入したまま床に転がった。空いている左手でシャツをめくり上げ下腹部を晒し、膝を立てて再び抽挿を始めた。中の突起物に神経をそがれるような鋭い感覚が、引き続き僕の性器を射精に向かって駆り立てる。粟立つような痺れが走り、次第に全身に広がっていった。驚いたことに僕は仰臥して5分もしないうちに上りつめようとしていた。腰が勝手にうねって手の中のホールに性器を突き入れる。
「ああっ…! あっあっ!」
急に高まった快感が唐突に下腹部で弾けた。ホールの中でドクンと性器が脈打ち、僕は勢い良くホールの中に精液を発射していた。
…イケた…独りでイケた…独りでも出せた…! 出せた! 自分で処理できたんだ!!
それはオナホールに出させられたような強制的な射精だった。自分でも予期出来ないあの上り詰め方。なんて楽なんだろう。勝手に身体がイッちゃうなんて。気の遠くなるようなオーガズムの中で、僕はなにか偉大な事業を完成させた達成感のようなものを感じていた。それは悲願の達成とも言えた。これで幸村さんを巻き込まなくて済むんだ…安全を確保できる…誰も死なない…僕は自己完結してる…やった…やったんだ僕は…!
「…え?」
その時、ゆっくりと引き抜いた黒いホールの中から、僕はあってはならないモノを目の当たりにして、思わず声が漏れた。それは、終わるはずのものが終わっていないことを指し示す決定的な光景だった。
射精した後も勃起し続けている自分の性器。
不意を突かれ脱力した手からホールが床に転がった。消えるオーガズムの替わりに、再び下腹部に何かが再燃し始めていた。
「あ…くぅ…」
再び広がり始める性感を押しとどめるように、僕は自分の精液にまみれた硬い肉を咄嗟に両手で掴んでいた。
「や…めろ…」
終わらない…? なんで? あんなに強烈に感じてイッたのに…
「いやだ…いや…」
長い4時間の解剖時間のせいだったのか、それとも…? それとも……
朦朧とした頭で、これ以上の分析は今は無理だった。だが、やることはひとつだった。
わかった。1回でダメなら、2回するまでだ。僕は自分の精液がローションのように入っている黒いホールを床から拾い、もう一度その肉塊にあてがった。



