気がつくと服の中に放った精液が冷えてきてベトベトしている。これは洗いたい。佐伯陸の頭を撫でながら聞いてみた。
「佐伯君…お取り込み中ごめん…僕首絞められると必ずイクんだ。パンツがグチョグチョで気持ち悪いから…洗ってきていいかな…ズボンに滲みそう」
「え…ほんとにイッたの? イクって言ってたの…」
「うん…お恥ずかしいけど…誰でも絞められるとイッちゃうんだ…皆んなに落とされ続けてたのはそれがあるから…」
それを聞くと、いきなり佐伯陸はすすり上げながら僕のベルトを外し、ズボンの前を全開して、素早く僕のボクサーパンツに手を掛けた。
「なっ…なにするの?」
「裕さんの味…味見したい」
「だっダメだってそれは…僕それすごく不得意だって」
「ダメ…ボクがする…ボクがキレイにする」
「やめてっ!」
僕は動かない膝を必死に曲げて股間をプロテクトしようとした。それでもするりと佐伯陸の手がパンツの中に滑り込み、僕の下腹部に広がっている精液を素早く手でぬぐった。そして泣きながらその自分の指を口に入れてしゃぶった。
「ぜんぜん苦くない…甘い」
「なにすんの、もういいでしょ…」
「ボク好きなんです…だから…お願い…美味しいよ裕さんの」
有無を言わせず股間を剥かれ、佐伯陸は強引に股の間に身体を割りこませた。
「だってこのあといつ裕さんのザーメン見れるの?…もう最初で最後かも知れないんだよ…お願いします…ね? 裕さん…」
「欲情してるの?」
「精液に。裕さんにじゃないから安心して」
まだポロポロ泣いているのに、したいことは押し切った。偏った強い人だ。落ちた直後で身体が言うことを利かない。これ以上力が入らなくて、佐伯陸の細い腕に負けた。舌が僕の下腹部を這う。その上から涙がポトポト落ちるのがわかった。唇と舌でネトネトの精液と自分の涙を舐め尽くしたあと、亀頭を口に含んで吸い上げた。
「んふ…ん…んっ…」
泣き声と欲情した鼻声が混ざって漏れている。大丈夫なのかこんなことして? それでも僕がまったく勃たないので、根本までキレイに吸いつくされた後にすぐ解放された。佐伯陸は顔を上げると、袖口で涙と鼻水と口の回りの僕の精液を拭いながら、立ち上がって無言で寝室に消えていった。ガタガタと部屋の中から音がして、佐伯陸はすぐにソファに帰ってきた。僕は身体を起こした。



