僕を止めてください 【小説】




「とにかく僕はいいですから…早く犯して出してすっきりしてさっさと帰ってくれませんか」
「だってこれから君、予定でもあるの? 休日の土曜日にそんなこと有った試しなんか大体ないでしょ?」

 と、僕を尾行して日常生活を把握している幸村さんは断固言い切った。そうだけどそう言う問題じゃない…と聞き分けがなくて話を覚えてないいい大人を僕は断固として叱責した。

「一緒にいちゃダメだって言ったでしょ! 昨日!」
「だから、俺は死なないって!」
「何の自信ですか!」
「君こそなんの確信だ! 俺は何度も死にかけて、その度に九死に一生を得て来てんだぞ。俺はなんか守られてるんだ。上手く言えんが」
「僕には死神がついてる」
「じゃあ、君の死神と俺の守護霊と勝負だな。一年後に笑ってるのは俺だ」

 寺岡さんと言い合っているよりも更にタチの悪い切り返しをしてくる人だ。いつの間にか横向きだった身体にだんだんと幸村さんが背中からのしかかってきていて、僕は半ばうつ伏せに組み敷かれていた。

「だけどエロい身体だな…言ってることと身体の反応が全然合ってないんだけど。乳首勃ってるし、息上がってるし…」
「やっやめてくださいって…あっ…ダメだって! 無断で触んないで!」
「ほらやっぱりここもさっきと全然違うじゃないか」

 また勝手にそこを掴まれて硬さを確かめられてしまい、僕はビクッと身震いした。なぜか僕の身体はじわじわと愛撫に反応してしまっていた。だが、自殺の画像や遺体を見た時のような下腹部の灼熱感はなかった。その替わり全身がまんべんなく微熱のようなものを感じていた。

 変だ。こんなこと今まで無かったのに。昨日の大量の写真のせいだろう、と僕は考えた。後遺症…っていうんだろう。あんなひどいことをされたんだ。変にもなる。

「丁度いい…幸村さんの思う壺ですね。良かったじゃないですか。早く…犯せばいい…オナニーじゃないなら幸村さんも本望でしょ」
「可愛くないね…泣かせちゃうよ」

 そういうと尻の割れ目に濡らした指がヌルっと滑り込んで来た。

「可愛くは…なれません…ああっ!」

 後ろからいきなり幸村さんの硬いものを、根本まで一気に挿れられていた。