『恥辱刑』




 身体を組み敷かれて、唾液が耳の下まで流れるくらいはしたないキスが、ずっと続いている。

 いつのまにかベッドの上に居た。私のそこは太いディルドゥで埋められ、ペニスは猛り狂ったまま慰めてももらえず、自分の粘液だけにまみれていた。全身は男の精液を塗りたくられ汚されきっている。手首が括られているので抗うことは出来なかった。

 男娼と偽って街に立ち、陰険そうないやらしい目つきの男に2万で買われた。汚いラブホに連れ込まれ、手首を縛られてシャワーを浴びる間もなく服を下だけ下ろされて、立ったまま壁に押し付けられすぐ挿れられた。欲望の道具になっていく感覚に心が堕ちていく。それがたまらなく淫靡で私はすぐにそれに溺れた。足元に落ちたスーツはそのまま靴で踏みつけられてなすすべがなかった。

 男は粘着質で執拗だった。間断のない挿入と耳元で囁く侮辱の言葉を聞きながら、彼自身だけが満足して飽きるまで長い時間掛けて汚された。胸の中が固まりきしんで無機的な音を立てるまで。それでよかった。夜が長すぎるんだ。君がいない夜は。君がいないのに世界が回ってることが信じられない。無駄に明晰な思考を早く悶絶と痛みで奪って欲しい。だからこれでいい。

 夜明け近くに名前も知らない男すら去っていった。ソファの上に投げ出された2枚の万券。静寂の中で独り、置き去りにされたベッドで自分で抜いた。全身が鉛のように重くて節々が錆びついたように傷んだ。それでも何度も抜いた。