彼は僕の顔を凝視していた。少しの沈黙のあと、僕に小さな声で訊いた。
「嫌いな食べ物とかない? ほら…ピーマンとか納豆とか」
「さあ…」
もともと食事に興味がない僕には好き嫌いがなかった。
「もういい」
「すみません」
「君は…手強いね…憎ったらしいな…」
「だって、死体が好きなのに…僕に興味があるのって…変です。佳彦も変です」
「もういい…犯すよ」
僕は顎を上げて、のどを彼に差し出した。彼はそこに指を絡めて、そのまま僕をソファに押し倒した。指に力を込めながら僕の上に乗り、そのまま彼は僕の唇を彼の唇でふさいだ。僕の股間はすでに期待で固くなってズボンの前を押し上げていた。
「これでも…僕のこと興味ない?」
唇を離して、片膝を僕の固くなった性器にぐりぐりと押し付け、彼はそう僕に訊いた。
「あっ…あああぁ…」
あまりの快感に頭の中が真っ白になった。知らないうちによがり声だけ上げていた。ドクンと股間でなにかが破裂して、僕は意識を奪われていた。訊かれたことになんか答えられなかった。



