僕を止めてください 【小説】





 ためらうように、言葉が切れた。でも僕はこの際、問い詰めることにした。僕は身体を起こした。

「その件は、どうですか? もうすぐ…来ます。隆の例のリミット」
「ああ…わかってる」
「僕は…そうだ、友達でも別れるでもどっちでもいいです。でも、その寺田さんと会うときは、一緒にいて下さい。それならいいですか?」
「寺田じゃねーぞ。寺岡な」
「その寺岡さんから僕を守るってことで」
「…参ったな」
「あ…寺岡さんからじゃないですね。きっと彼は写真とか持ってきます。自殺者の。そしたら気が狂った僕が暴走したら絞め落としてください。寺岡さんそれ出来ますか?」
「出来ねぇって言ってたけど」
「じゃあ、よろしくお願いします」

 小島さんは僕をちょっとにらんだ。口がへの字になっている。困ってるのかも知れない。その時小島さんが僕の腕を掴んで自分の身体の上に引き倒した。小島さんの顔が目の前にきた。

「うわ」
「お前意外と策略家だよなぁ。わかったよ、仕方ねぇな。そこまでは付きあってやるわ。俺どうなってるかわかんねぇけど」
「いいんです。なにか問題でも?」
「ねーよ。クソっ…ああもう!」

 小島さんは憎たらしそうに僕のアタマをポンポン叩いた。

「あっ…やめてください! 脳細胞が減ります! これからいっぱい使わなきゃなんないんですよ」
「いいんだよ、活性化だ、こんなの!」

 とりあえず、僕は懸案事項をなんとかつないだ。