「今夜また俺の部屋に来いよ。」 「なんで……」 「仕事があるから。」 「ほ、ホントに……?」 「ホント。 さくらを寝かせてからでいいし。」 さくらの名前…… 覚えてくれたんだ! 「わ、分かった!行く。」 ちょっと嬉しくて、 簡単に返事してしまった。 「簡単な女。」 「べ、別にいいじゃん! さくらのことで嬉しくなった、とかじゃなくて……」 「ハイハイ。」 「も、もう部屋に戻る! さくらが待ってるしさ! また食堂で!!」 恥ずかしくって 荒々しくそう言って奏の部屋を出た。