「そうでもない。 バカだと好きなやつがいることにも気づかないだろ?」 ハ……? 「それくらい気づきます!」 「気づいてねーよ。」 奏は昼休みのときと同じように手首を強く掴んだ。 「何?奏……?」 「綺麗な髪だな。」 「っ!!」 突然私の後ろで1つに結んだ髪を手に取り、 大事そうに髪にキスを落とした。 「な、な、なななな、な!!!」 何やってんの!? 王子様みたい……。 私の顔は一気に熱を帯びた。