「お前……バカじゃないの。」



そっか。


最初っから奏は私のこと私として見てくれてたんだ。



お互いの呼び方を決めるときの

奏の『いや、お前だけ。』という言葉を思い出す。





「うん。バカだった。ごめん。」



お母さんとお父さんが死んでから

私を私として受け入れてくれた

二人目の人。




少し泣きそうになったけど、


泣かなかった。





「はぁ……」



奏は私の手首を離し、ため息をついた。




「バカなやつ。」


「わっ」



奏は犬を撫でるみたいに私の髪をぐしゃぐしゃに撫でた。




犬……

も悪くない……かも。




















「じゃあ、ジャムパン買ってこい。」





ただし!!

コイツがドSじゃなければね!!!