奏も教室で食べてたから、もし中身が同じだったら変に勘ぐられるかもだし。 シェフが作ってるんだから おんなじってことはない……のかな。 「おいし……」 どれも全部おいしいや。 おいしいのに…… 何かが足りない。 何が? 高級卵焼きを頬張った瞬間 扉が勢いよく開き、驚いて味わうことなく卵焼きを呑み込んでしまった。 「……っゴホッ……ケホッ……」 「一人飯か。不憫なやつ。」 奏…… 「…………。」 憎まれ口ばっか。 卵焼きの恨みと共に奏を睨んだ。