「お前から連絡してこいよ~!」
「よっ!」
「奏のバカヤロー!!」
「もう一声っ!」
「女ったらし!俺様!ジコチュー!ばーか!」
奈央の合いの手にノリノリで応え、
言えるだけの悪口を言ってやった。
優花が思わず吹き出し、
私たちは大声で笑った。
「ハハハッ!ザマーミロ、奏!」
「へぇ~。
そんなこと思ってたんだ、お前。」
『お前』
こんな偉そうな言葉遣いを私にする人は
世界中でただ一人。
世界中で、一番好きな……
ゆっくり後ろを振り向くと、
白スーツを着た人。
「そ……ぅ……」
私がそう言った瞬間、
奏は口許を吊り上げ、
私をどっこいしょ、と言いながら軽々と脇に抱えた。