「もう七尾くんにドップリだね、栞奈。」


「…………」



首にかかる冷たいネックレスに触れる。



奏からもらった指輪。



さすがに学校へ指にはめて行く訳にもいかず、

学校にいる間はネックレスに通している。




私って重い女なのかな。




たった1か月延びたくらい待てるような

心の広い女にならないといけないのかな。





だいたいさ、

なんで私ばっかこんな思いしなくちゃいけないわけ!?




どうせ奏のことだ。

今頃綺麗な女の人を両手にかかえてゲラゲラ笑ってる。




「なんか奏ムカついてきた……。」



「お!!いいぞ、いいぞ!

栞奈、その調子だよ!」



急に奈央が元気になり、机をバシバシ叩いた。