「おじさんだ!」
まだ1回しか会ったことなかったのに
さくらは覚えていたみたいで、
おじさんのもとへ駆け寄った。
「どこに行ってたの?」
「お仕事だよ?
また明日からすぐ行かないといけないんだ。」
明日!?
ずっと帰ってきてなかったのに。
「そうなんだ……。
頑張ってね、おじさん……?」
私が呼ぶからさくらも真似してそう呼んだ。
「ありがとう、さくらちゃん。」
おじさんは柔らかい笑顔を浮かべてさくらの頭を撫でた。
やっぱり……おじさんはいい人だ。
もっと……一緒にいられればいいのに。
「今日はね、ある話をしに来たんだ。」
おじさんはそう言って、
隣に座る奏に顔の向きを変えた。



