「寒い。」 「服着れば?」 「服よりもっとあったかいのがいる。」 布団の中で奏に引き寄せられ、 もう一度抱きしめられた。 「あったけ。」 なんか……もう反論する気にもなれない。 奏の、 石鹸の、香りがする。 居心地……悪くない。 奏と手を握ったまま私は目を閉じた。 こんな状況でも寝られちゃうって怖い。 私は奏の寝息を聞く前に意識を手放した。