ふんわりと奏の匂いがする。



「嫉妬なんて女々しいことはしねーけど、

お前は俺のもんだから。


他のヤツに渡すなんて絶対しねーから。」



「そんな言い方されたって分かんない……」



「ハァ……」




奏は煩わしそうにため息をついた。




「これで分かる?」



奏はもう一度私との距離をとると、

甘く、とろけるような口づけを落とした。




「っん……つっ……」




さっきよりも甘い……。





そして

唇が離れる瞬間、


「好きだよ」



囁かれたその言葉で

私は今、きっと、





世界一幸せなんだ、と


思った。