奏が私の目の前に立つ。



「人間として、とか、犬のクセに生意気な言い方してんじゃねーよ。」


「ヒッ……ごめん……」



奏が一歩ずつ私との距離をつめていく。



あ、そうだ!!




「奏、あのね。プレゼントあるの!」


「プレゼント?」



奏は私の言葉に反応して足の動きを止めた。




「うん、さっきデパートで買ったんだ。」


「お前、金ねぇくせに。」


「いいの。それでもあげたかったもん。」




「ハイ」と言って、奏に包みを渡す。




奏は「どーも」と素っ気ないお礼を言ってから包みを開け始める。




喜んで……

もらえるかな。