「ど、どーゆうこと?」 それでも佐伯くんは小声で話しかけてくる。 「あ……実はただ駅に忘れたお弁当を届けてもらっただけなのにさ、 そ……七尾くんがふざけて私のこと名前で呼んだり、 奈央が早とちりするから焦ってさ。」 「なんだ、そんなことか。」 佐伯くんはフッと息をもらして笑った。 「良かった。付き合ってないのか。」 「え?何か言った?」 「いいや。」 佐伯くんは嬉しそうに私を見て笑った。