ファミレスで、 奏が迎えに来てくれた時と一緒だ。 胸の中に言いようのない感情が込み上げてきて、 ぎゅーって心臓が握られてるみたいな気持ちになる。 なのに…… それなのに………… 「奏……。 抱きしめても……いいですか?」 奏は「嫌だ」とも「いいよ」とも言わず、 私を見つめた。 ベッドの上で上半身をゆっくり起こす。 ボサボサになった髪を少し整え、 同じくベッドの上に座る奏をもう一度見た。