「お前さぁ、いつも言ってるだろ。
何か近寄ってきたらすぐ俺のとこ来いって。」
もう。出会って早々お説教だよ。
「でも話しかけられるだけですよ?」
「それがダメなんだろうがよ。」
はぁ、とため息をつきながら小さくつぶやく。
「先輩の所だって近づきにくいんですー。」
先輩の顔かっこいいから、と言いかけたけどなんとか思いとどまった。
そういうこと言うと調子乗るから。
「まぁ、俺が気にかければいいか。じゃあ行くか。」
「はい。」
その言葉を合図とするように
いつもより数段と元気で輝いている商店街の中へと入った。

