かといって、あの中に突っ込んでいけるような気概もないしなぁ。

先輩、気づいてくれないかなぁ。


「あ、ねぇねぇ君ひとり?」

「え?」

「ばか、誰かと待ち合わせに決まってんだろう!」

「聞いてみなきゃ分かんないじゃん。」

気づけば目の前に男の人が二人。

どうしたらいいんだろう…。

先輩見えないんだけどな。


「ちょっとどいてくれる?」

遠くの方から先輩の声が…。

「悪いな。こいつ俺の彼女なんで。」

「あ。先輩。」

知らないうちに男の人の間から先輩の顔が見えた。

「ほら見ろやっぱり! すいませんっ。」

そういって一人がもう一人を引っ張る形でいなくなった。