とりあえず、今の幸せな悩みを頭の片隅に追いやりつつ、
浴衣とか、持っていくものを持って下に降りる。
お恥ずかしながら浴衣一人では着れないんだよねぇ。
着れてもあんまりうまくいってなかったりして。
なので、マイマザーに手伝ってもらいます。
「夕奈、そのかばんでいくの?」
「え? うん。これしか持ってないし。」
手元に持ってるのはいつも遊びに行く時に使ってるかばん。
あたり前だけど、浴衣には合わないよねぇ。
「浴衣用のちっちゃいのあるからそれ持ってったら?」
「どんなの?」
「えっと…、これ。」
そういって渡されたのは底と横側が籠のように編んであって、
上が巾着のようになっている今風の浴衣に合うやつ。
「へー、かわいい! これにする!」

