「よし、とりあえずこれ50ページ暗記な。」

そう言って取りだしたのは緑色の単語帳。

「えぇ!? そんなのムリ!」

「無理じゃねえよ。そんなだから品詞もまともにわかんねぇんだろ。」


「で、でも50ページはさすがに…、どうかお慈悲を…。」

「仕方ねぇな。じゃあ60な。」

「増えてるじゃないですかッ!」

切実だよほんとに! 涙が出てくるわ!

「嘘だよ、40ページにしてやるから。」

「その10分の1くらいだとうれしいんだけどなぁ…。」

下からこっそり見つめてみる。

「…はぁ。じゃあ、10ページ。」

ちょっと目線を外して答えた先輩。


さすがにこれ以上は無理か。

「わかりました。がんばるです。」