「…はぁ。もう。先輩。何で逃げたんですか。」 やっと落ち着いてきた私は 一番聞きたかったことを口にだす。 「いや、べつに…。」 先輩はそっぽを向いたまま、こっちを見てくれない。 「ここまで来るの大変だったんですよ、校舎の中走りまわっちゃったし。 まひるにつないでもらって恭先輩にも聞いてもらったんですからねっ!」 「…悪かったな。」 あれ。 「やけに素直ですね。何かあったんですか?」 さっきからおかしいし。