「!?」
声を出す間もなくバランスを崩す身体。
怖い時ってほんとにスローモーションみたいになるんだ、なんて。
どうでもいいこと考えたり。
もうダメだって思ったとき。
「ぐあッ!!」
後ろから声が。
「え!? 先輩!? ちょ、ど…、」
「恭に仲介してもらってまひるに教えてもらった!」
どうやら私の後ろはドアで先輩に乗っかるかたちになったらしい。
ものすごく痛かったらしく、すごいしかめっ面してる。
気づけば後ろから支えてもらう形に。
「あ、なんかすみませんっ! 乗っちゃったみたいでっ!」
「ああ、後でしっかり謝ってもらうけど、」
「え。」
まじですか。めっちゃ怖いんですけど。
「はぁ、なんだよ久瀬。突然入ってきやがって。」
先生はちょっと不機嫌そう。
なんでだろう。

