「ねぇ夕奈、怜先輩ってなんか機嫌悪いの?」

「え?」

こそっと耳打ちされてから気づくと確かに全然しゃべってない。

「さて、では、お邪魔なようなので行きますか、恭先輩。」

「あ、う、うん。そうだね。」

触らぬ神にたたりなし、と言わんばかりに体の向きを変えるまひる。

「じゃあねー。夕奈ー。」

「うん、ばいば-い。」

「じゃ、頑張れよ。」

「…言われるまでもないよ。」

先輩達もちょっと意味深なやり取りをしてそれぞれに別れた。