「さん、いらない。」
すっごく真剣な目でまっすぐ私を射抜く先輩。
「呼び捨てはできません、先輩なんですから。」
「でもさ…、」
「あれぇー…、怜先輩と夕奈じゃん。」
びっくりして先輩と一緒に声のした方を向くと。
「恭先輩にまひるじゃん!」
どちらも浴衣姿の二人。
てかまひる、恭先輩とは何もないって言ってなかった?
「やっぱり声かけない方が良かったかな?」
私達が手と手を取り合って向き合ってるように見えたらしいまひるは、
茶化すようににやにやと笑う。
「やっ、別にっ!? 全然よかったよ!?」
やばい、焦りすぎて声裏返っちゃった。

