「…うん。で?それだけ?私忙しいから行くわ」 一人で完結させて席を立つ。 「美羅、あいつんとこか?」 那知ちゃんは席を立った私に結羅の名前を出さずに問い掛ける。 「そう。だから抜けるね」 手をひらひらと振って教室を出た。 長い長い廊下を歩いて理事長室へと向かう。 いくらうざくて弱いとは言えど結羅は大切な兄だ。 心配にならない筈がない。 自然と早足になる。