斎藤くんと私は、声のする方を向いた。

そこには、


「と、東城君!?」


その瞬間、目の前にいたはずの斎藤くんが、5メートル先に、うずくまってい

た。それが、東城君の仕業だという事を理解するのに、私は、数十秒かかっ

た。


「ひっ!」


斎藤くんは小さな悲鳴を上げ、どこかへ行ってしまった。