降ろされた所がどこか分からなかった。

凄く怖くて…

寒く感じた。

誰か…助けて…。

誰かに電話をしようとした…

でも…言えない…

レイプされたなんて。

あたしはたった一人だけ
言える人を思い出した。

早川先生だって。

携帯の番号だけ知っていたあたしは、震える手を必死に動かしボタンを押した。


――プルルルルルル
――プルル…


〔もしもし…〕

「先生…亜果梨…です」


先生の声で体が少し温まる。

涙もたくさん出る。

〔どうした?神崎〕

「先生…助けてぇ…っ…
うっ…助けてぇ…」

〔どうした!今どこだ!〕

「わからない…うっ…オェ…」

吐き気が襲う。

〔大丈夫か!?何があった!〕

「オェェェ゛ーー」

吐いていて話せる状態じゃなかった。

〔今から行くから!周りに何がある?〕


「うっ…」

田んぼしかない場所。

それと少し離れた場所にコンビニ。

「田んぼと…ぅっ…コンビニ…」

〔わかった!〕

プツっ…。