2年になると、幼なじみは同じクラスにいた。

そいつは、あたしの気も知らないで、目立つ系の男子とじゃれあっていた。

「おはよ、日向」

私が家を出ると、必ずそいつもでてくる。

それは、計画的なものかと言いたくなるほど、グッドタイミング。

「……。」

私は無視して、バス停まで歩き始める。

「聞こえてんだろ〜。無視すんなよ。」
「まだ暑いよなぁ」
「聞こえてる〜??」

うだうだ言いながら、ついてくる。

まぁ、同じバスに乗るから仕方ないけど。

毎朝こんな感じ。

「あの子、結構イケメンな彼氏のこと無視しちゃってるわ。」

その光景を見たおばさまたちが、かわいそうな目で雄心をみた。

彼氏なんかじゃないし!

朝比奈雄心【アサヒナユウシン】

幼なじみで、昔は仲良くしていた。

でも、私が友愛中学に行くことになったのは、こいつのせいなんだから。

大きくなるにつれて、雄心とは話をしなくなった。

夏休みも、中学に入るまでは、雄心の部屋で一緒に宿題とかしてた。

けど、中学に入ると、雄心はバスケ部に入った。

今年の夏休みも、練習詰めだったらしく、ほとんど雄心が家にいることはなかった。

とにかく、私は雄心を、苦手対象としていた。