実際、練習は去年の何倍も濃かった。

伴奏は、そんなに難しくないし、

すぐ弾けるようになったけど、
みんなの合唱がうまくいかなかった。

ソプラノパートリーダーは、
歩海。

「ちがうちがーうっ!!!!」

伴奏を何度も止めて、丁寧に仕上げようとしていた。

一方、男子は、パートリーダーの
雄心と、長嶋くんが練習を進めていた。

「俺ら、結構上手くね???」

「涼佑は調子良すぎだろ」

調子良さ気な指揮者、羽賀に、
雄心が突っ込んだ。