「説明終わったか?」

彼はいきなりそんなメタ発言をする。彼は私がだらだらと説明を続けるせいで読者が飽きることを心配しているらしい。

「濁火君、このページが読まれているってことは世界のどこかに読者がいるってことだから安心していいよ」

「まあ小説なんて所詮暇つぶし、読み飛ばしたきゃそれでいいけど」

彼はそう言ってからふと時計を見る。

「ところでお前、学校はいいのか?」

今から行けば遅刻ギリギリ、しかし今年は受験で、いろいろあって出席日数が危うい私にとって遅刻は許されないのであった。