李恋は昔からそーだった。

私のお母さんやお父さんでさえ、気づかない私のことを、
李恋は全部お見通しだった。


…少し、怖いくらいに。


「え…なんで?」

私は、少し顔をしかめる。

「んー?
あたしは、ありさのことならなんでもわかるのっ!」

と、ドヤ顔全開の顔で私に言った。

「なによ、それ」

私は笑いながら、答える。
……ほんとに、李恋には敵わないや。


「そんなに、気になるならお兄ちゃんに頼んで紹介してもらおっか?」

「………え?!」

突然、李恋の口からころっとでた内容にびっくりする。

………おいおい、そんな重大なことを、
『今からコンビニ行ってこよっか?』…みたいに軽々しくゆうなっ!

「気になるんなら、紹介してもらえば?」

「い、いやー…。いいよーっ!か、海莉くんもきっと忙しいと思うしっ!!」

「いや。あいつは、いつも家で暇そーにしてるから、大丈夫っ」

私の必死の説得(言い訳)も虚しく。
簡単に言い返されてしまった。

あの人に会って、話してみたい。

それは、心の底から思う。

でも、この気持ちが単なる憧れの気持ちで、ただのミーハーなだけなのか。
それとも、恋なのか。

それは、今の私には到底わかるはずなかった。