「何、見てんの？」

「外…」

「石田さん、元気だして」

「は…？」

「だっていつも悲しい顔してるから」

「生まれつきこの顔なんだけど」

「好きな人は？」

「いつもいないって言ってるよね？」

「そか。またね」

こんな調子で近づいてくる彼の名前は

宮野 聖弥（みやの せいや）。

聖弥はクラスの中でも

人気があるほうだ。

そんな聖弥がどうして私なんかに

近づいてくるのかとっても不思議だ。

だけど深く考えるのはやめよ。