「桜丘高校からきました、早川奈知です。よろしくお願いします。」





「じゃあ早川さんは、夏樹くんの隣ね。」





「俺ですか?」





「当たり前じゃない、あなたしかいないでしょう。」





「他のクラスには、いるけどな?」





「わかったから、早川さんの校内案内はあなたにまかせますからね。」





「はいはーい。」





「早川奈知です、よろしくお願いします。」





「俺、夏樹緋琉。よろしくな。」





ひかる...か。





授業始まりのチャイムが鳴った。





「なあ。」





「うん?」





「俺とおんなじ顔してるけど、喋り方が違うやつがいても、話しかけるんじゃねーぞ。」





俺とおんなじ顔...って、ドッペルゲンガー?





「お前、今ドッペルゲンガーとか思っただろ?」





「は、え!?」






「図星か。」





「そ、そんなこと思ってないっ!」





「思っただろ?」





「うるさいっ、思ってないって言ってるじゃん!」





「そこ、うるさいわよ!」





「お前のせいで叱られたじゃねーかよ。」





「緋琉のせいでしょ!?」





「夏樹くんと早川さんは放課後、図書室の整理をしてもらいます。」





「えー!!」





「...わかりました。」





緋琉って...最低っ!