「黒龍には手を出さないでください。」 鋭く冷たい声が、その場を支配した。 皆が紗綾を見る。 「陽也さん帰りましょう。 相手にするだけ、無駄です。」 「まっ「喋るな、助かったと思え。」 紗綾がいつもとは違う口調。 そんな酷いことを言っているけど、目には涙が浮かんでいる。 「っう。」 紗綾が、表情が青ざめる。 そして、その場にしゃがみこんだ。 やっぱり、俺を庇って怪我をした部分が相当痛いんだろう。