「やめて上げてください。 この人に、悪気はないです。」 きっぱりと言う紗綾は、凛としていた。 炎王は男の胸ぐらを掴むのをやめた。 「・・・・気をつけろ。」 男は、体をこわばらせて後ろに下がった。 すると、炎王が俺の方を見て口を開いた。 「黒龍が何のようだ?」 低く相手を威圧するような声、紛れもない炎王の声。 「紗綾、来いよ。」 炎王の言葉を気にせず、紗綾に言う。 紗綾は、瞳を少し揺らして、「無理よ。」と答えた。