「そうだ、紗綾―――・・・・。」 陽也さんは振り向いて、言葉を発し始めた。 私は、家の中の荷物をカバンにつめる。 明日・・・、この家からも離れなくちゃいけない。 陽也さんに言われた言葉は、もう母親と住め。ということだった。 確かに、母との問題はなにもなくなった。 家出なんてする必要は、ない。 けど、家に戻るっていうことは、この街から離れなくちゃいけない。 当麻に一言。 一言でも、言いたかった。