「婚約を最終決したのは、お前の叔父。」




そう言って、陽也さんは歩き出す。


私は、後ろについていきながら話しかける。




「じゃぁ、婚約は。」



「取り消しには、なってない。」





一千万を融資・・・されたんだ。


それなのに、婚約破棄は出来ないよね。


もしかしたら、婚約はなくなるんじゃ・・・って思った。




「そう・・・ですか。」




少しだけ。



少しだけ、淡い期待を抱いたせいで、余計胸が苦しくなった。



私の我儘で、叔父さんにまで迷惑をかけたくない。